2021/11/11 11:32
今や「ストリートファッションの代表格」として位置づけられ絶大な人気を誇るバレンシアガ(BALENCIAGA)が100年の歴史を持つメゾンブランドだったことは知っていますでしょうか?
創業者であるクリストバル・バレンシアガは、自身の初のブティックを1919年に開店。
彼が作るプロダクトはスペイン王室や貴族から愛され、バルセロナやサン・セバスティアン(リゾート地)にも支店を開きます。
1936年にスペイン内戦が勃発し閉店を余儀無くされると、彼は活動拠点をパリに移し、翌年パリのジョルジュ・サンク通りにブティックを開店。
以降、バレンシアガはパリを本拠地としています。
パリで女性向けのオートクチュール(オーダーメイド一点物の高級服)を制作していたクリストバルは、時代を先取りした革新的なデザインを取り入れることで人気を博します。
1950年代当時、クリスチャンディオールの影響でウエストを絞った曲線的なデザインが流行していたのに対し、バレンシアガは平面的なフォルムの作品を発表し、業界に衝撃と多くの支持を得ています。
しかし1968年にクリストバルはパリ、バルセロナ、マドリードなどのバレンシアガ店舗を閉めて人々に惜しまれながら引退を表明します。
引退後、1972年にクリストバル・バレンシアガはスペインのハベアでその生涯を閉じる事になります。
クリストバルの死後、香水販売で知られるジャック・ボガート(JACQUES BOGART)がブランド「バレンシアガ」を所有。
1986年までは香水ブランドとして存続し、87年からプレタポルテ(既製服)コレクションを再スタートします。
その後低迷期が続きましたが、1997年にニコラ・ジェスキエールがバレンシアガのクリエイティブディレクターに就任します。
ニコラのデザインするハイウエストのスキニーパンツとボリュームのあるブルゾンの組み合わせや、渦巻くように広がった袖口を持ったタイトなウールのジャンプスーツなどから見られる抜群のコントラスト感覚によって、バレンシアガは息を吹き返します。
そして今日における爆発的な成功は、2015年にクリエイティブディレクターに就任したデムナ・ヴァザリアによってストリートに舵を切ったクリエイションによるものが大きいでしょう。
「ダッドスニーカー」のはしりとなったトリプルSや、インスタ映えを意識したロゴマークの変更によって、バレンシアガは歴史あるメゾンブランドから「ラグジュアリーストリート」ブランドとして若者を中心に広く認知されるようになりました。
デムナ・ヴァザリアのデザインコンセプトは「破壊的なファッションの作成」。
2017年秋冬のバレンシアガのコレクションには、典型的なオートクチュールの手法を根本的に再設計し、前衛的な外観を取り入れたデザインが多分に含まれています。
クリストバル・バレンシアガやニコラ・ジェスキエールが作り上げてきたバレンシアガをデムナ・ヴァザリアがどう「壊す」のか、今後も期待です。
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