2021/08/27 11:59
創業当時、エルメス社はパリのマドレーヌ寺院界隈で馬具工房として始められました。
その後、自動車の発展による馬車の衰退を予見し、鞄や財布などの皮革製品に事業の軸足を移しています。この予見と軸の転換がなければ今のエルメスはなかったかもしれません。
そんなエルメスのコンセプトは「職人技の伝承」、「移動・旅行のよろこび」とされています。
また、エルメスのロゴにはその名残で馬具工房に由来するデュックとタイガーが描かれています。
デュックというのは四輪馬車で、タイガーは従者のこと。
主人(馬車に乗る人)は描かれていないのかなと思った方もいるのではないでしょうか。
そこにはエルメスの信念が描かれており、この主人が描かれていないロゴの意味は「エルメスは最高の品質の馬車を用意しますが、それを御すのはお客様ご自身です」ということなのです。
そしてエルメスのシンボルカラーである、深みのあるオレンジ色。現在ではこのブランドに欠かせないアイコンの一つであることはご存知の通りだが、初期のエルメスの包装紙には、薄いベージュが使われていたのだという。
それがオレンジへと変わったきっかけは、第二次世界大戦だった。大戦中の物資の欠乏によりベージュの包装紙を手に入れることが叶わず、偶然残っていたオレンジ色の紙を包装紙として使用したことに端を発しているのだとか。
このオレンジの色が顧客の評判を呼び、のちにエルメスのシンボルカラーとして正式採用されることとなったのだと伝えられている。
□エルメスのアイコン「バーキン」
このバッグが誕生したのは1984年。それは、当時のエルメス社長であったジャン=ルイ・デュ マが、飛行機の席でひとりの美しい女性と隣合わせたことがきっかけだったという。
彼女は、通路を通る際よろめいてしまい、愛用のかごバッグからその中身を落としてしまったという。それを見たジャンが「ポケットがついているバッグがいいですよ」とアドバイスすると、なんと彼女はジャンの存在を知ってか知らずか「エルメスがそんなバッグを作ってくれたらいいんですけど」と答えたという。ジャンはその身分を明かすと、機内のエチケット袋に「オータクロア」をベースにしながら、彼女の理想とするバッグのデザインスケッチを描いた。そして後日彼女のためにそのバッグを制作し、贈ったのだという。
その女性の名前は、ジェーン・バーキン。そう、セルジュ・ゲンズブールや、ジャック・ド ワイヨンといった世界を代表する洒落者を虜にするとともに、永遠のファッションアイコンとして知られる世界的女優にしてシンガーだ。そんな彼女の愛用品として、そのデザインは「バーキン」と呼ばれることとなり、世の女性たちの憧れの的となったのである。
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